データ移行とは?
「データ移行」とは、あるコンピューターシステム、ストレージデバイス、フォーマット、アプリケーションなどから別のものへデータを転送することを指します。データ移行は、システムアップグレードや新しいシステムへの移行、ストレージデバイスの変更、またはデータベースやアプリケーションの変更時に特に重要となります。

データ移行の概要とは?

  1. データの準備:移行するデータを確認、整理、不要なデータを削除する
  2. データの変換:旧システムのデータ形式やフォーマットから新しいシステムに合わせて変換する
  3. データの転送:データを旧システムから新しいシステムに移す
  4. データの検証:移行後、データが正確に移行されたことを確認するためのテストや検証を行う
  5. エラーの修正:移行中に問題が発生した場合、それを修正する

データ移行の際には、データの喪失や破損を防ぐために十分な注意が必要です。また、データの整合性やセキュリティも考慮すべきポイントとなります。

データ移行におけるステップとは?
新旧項目マッピング表を作ることが最初のステップとなります。
通常、SAP項目に関しては導入ベンダーが詳しいため、ベンダーが記入する一方、旧システム項目に関しては、業務ユーザ、または情報システム関係者が詳しいため、そちらで記入する、と役割分担を実施します。
当該結果を通じ、双方データ構造を一つの表にまとめることで、その変換をできるようになり、その後、当該手順をまとめた手順を作成するのが通例の流れとなります。
データ移行は限られた期間でミスないよう行うことが必要であり、作業ステップだけでなく、半角・全角変換、小文字・大文字といった様々な変換手順をまとめる必要もあります。

データ移行におけるポイントとは?
データ移行は作業が多いため、若手メンバーをアサインしがちです。ただデータはシステムを動かすための指示が集約されたものであるため、SAP知見を豊富に持つメンバーが実施しなければなりません。
また、データとはユーザ業務そのものであり業務にも精通していなければなりません。SAPのアドオン開発がうまくいったとしても、データ設定が誤れば、システムは動かなくなります。

データ移行で陥りやすいこととは?
SAPデータ移行では、稼働後トラブルになるいくつかのポイントが存在します。
 ① 修正不可マスタ項目の設定
 ②リカバリに労力を要するトランザクションデータの生成項目

① 修正不可マスタ項目の設定
品目マスタ・品目タイプのように、トランザクション投入後変更できない項目が存在します。これら設定誤りを稼働後に発覚した場合、SAP社に問合せをしても、「対応できない」との回答しか返ってきません。そのため、当該項目は、トランザクションデータ投入前に入念な確認を行う必要があります。

②リカバリに労力を要するトランザクションデータの生成項目
マスタ設定値が、トランザクションデータに引き継がれるが、その中でも、ERSのような自動設定にかかわるデータは扱いに注意が必要です。誤ったデータを投入した場合、そのリカバリ対象が数十万件に及ぶなどし、場合によってはその習性ができないという事態を招くためです。

データ移行を失敗させないための推奨方法とは?
データ移行の成功確率を上げるには2つのことをまず実施すべきです。
①データ量を削減する
 データ移行の難易度・トラブルはデータ量に比例するため
②確認項目を絞る
 数百~数万に及ぶデータをすべて確認・保障するのは時間的に難しいため

推奨案
データ移行対象を限りなく絞り、本番移行を並行実施することを推奨します。
その場合、ユーザ自らがデータを確認しながら投入することができ、各社固有業務を識別しきれないことによるミスを低減できます。また、万が一ミスがあった場合も、業務ユーザ自身であれば業務的なリカバリーもできるため納得感が高くなるためです。

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