ERP(統合基幹業務システム)は、企業の基幹業務を統合し、効率化や経営判断の迅速化を図るための強力なツールです。多くの企業が多額の投資と時間、そして膨大な労力を費やしてその導入に挑みます。しかし、そのプロジェクトは必ずしも成功するとは限りません。プロジェクトの遅延、予算超過、そして最終的な稼働後のシステム不具合に悩まされるケースは後を絶たないのが現実です。
なぜ、これほどまでに多くのプロジェクトが挫折を経験するのでしょうか?その最大の原因の一つに、「テストフェーズの不徹底」が挙げられます。
「開発が遅れたからテスト期間を短縮しよう」「要件定義や設計に時間をかけすぎた」「テストはユーザーに任せれば良い」―― こうした安易な判断が、品質の低いシステムを本番稼働へと導き、その後のビジネスに甚大な影響を及ぼします。システムに不具合があれば、業務プロセスは停滞し、従業員の生産性は低下します。さらに、顧客へのサービス提供に支障をきたし、企業の信頼を損なうことにもなりかねません。ERP導入の目的が「DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速」であるならば、品質の担保は最優先されるべき課題です。
本書では、ERP導入プロジェクトの成否を左右するテストフェーズを徹底的に掘り下げ、高品質なシステム稼働を実現し、DXを加速させるための実践的なノウハウを提供します。専門的なテスト手法からプロジェクトマネジメントの観点まで、テストフェーズを成功に導くために必要な知識を網羅的に解説します。これからERP導入プロジェクトに関わる方、テストフェーズの課題に直面しているプロジェクトリーダー、そしてIT品質管理の重要性を再認識したいすべての方々にとって、確かな道しるべとなるでしょう。
