はじめに

  • 本書の目的と対象読者:ERPパッケージ導入・刷新を検討する経営層・IT部門・事業部門の方々へ 
  • 基幹システム構想策定の重要性とDX時代における位置づけ:ERPがDXの要となる理由 
  • 本書の構成と読み方 

第1章 DX時代における基幹システムとERPの役割

  1. 1. 基幹システム構想策定とは何か?:ERPパッケージ導入・刷新プロジェクトの全体像 
    ・目的、スコープ、アウトプット 
    ・プロジェクトライフサイクルにおける位置づけ 
  1. 2. DX時代における基幹システムのパラダイムシフト 
    ・ビジネス戦略とERPのアラインメント
    データAIを核とした意思決定基盤としてのERP 
    ・アジリティとレジリエンスの確保 
  1. 3. ERP導入・刷新プロジェクトの失敗事例と成功の鍵 
    ・典型的な落とし穴:フィット&ギャップ、組織変革の遅れ
    ・ステークホルダーエンゲージメントの重要性 
    ・継続的な改善と進化 

第2章 ビジネス戦略とIT戦略の融合:ERP選定を見据えて

  1. 1. ビジネス戦略の理解と分析:ERPが貢献すべき経営課題
    ・事業環境分析(PESTLE、SWOT)
    ・ビジネスモデルキャンバス、バリューチェーン分析
    ・経営課題と目指すべき姿の明確化  
  1. 2. IT戦略の立案と基幹システムビジョン設定
    ・ITガバナンスとERP投資の最適化
    ・ITロードマップとERP導入・刷新計画
    ・ビジョナリーなERPアーキテクチャの検討 
  1. 3. ビジネスとITのギャップ分析と融合アプローチ 
    ・As-Is / To-Be分析:ERP導入による業務変革のスコープ
    ・ビジネス要件とERP機能要件の整合性確保  
    ・ロードマップに基づく段階的アプローチ 

第3章 現状システム・業務の可視化と課題特定:レガシーERPからの脱却

  1. 1. 現状基幹システムアセスメントの進め方 
    ・対象範囲の特定と情報収集計画 
    ・ドキュメントレビュー、ヒアリング、現地調査 
    ・既存ERP、周辺システム、インフラの現状把握 
  1. 2. 業務プロセスの棚卸しと課題分析:ERP導入効果の最大化 
    ・業務フロー可視化(BPMNなど)とERP標準機能とのギャップ分析 
    ・ボトルネック、非効率箇所の特定とERPによる改善の可能性 
    ・シャドーITの把握とERPへの統合検討 
  1. 3. データアセスメントとデータガバナンスの視点:ERPデータ基盤強化
    ERPへのデータ移行、データ連携の現状と課題 
    ・既存データの種類、量、品質の評価 
    データガバナンスの重要性 
  1. 4. IT負債の評価とリスク特定:レガシーERPからの移行リスク 
    ・老朽化、ブラックボックス化のリスク 
    ・セキュリティ脆弱性、コンプライアンスリスク 
    ・運用コスト、保守性の評価 

第4章 新基幹システム(ERPパッケージ)の構想と要件定義

  1. 1. 新業務プロセスの設計と最適化:ERP標準機能の最大限活用
    ・To-Be業務フローの策定とERP導入による業務変革 
    ・自動化、デジタル化による効率化とERPの貢献 
    ・ユーザーエクスペリエンス(UX)の考慮とERPインターフェース 
  1. 2. ERPシステム要件定義と機能・非機能要件の明確化 
    ・ビジネス要件からERP機能要件へのブレイクダウン 
    ・機能要件(ERPモジュール、画面、帳票など) 
    ・非機能要件(性能、可用性、拡張性、セキュリティなど) 
  1. 3. ERPアーキテクチャデザインの検討 
    ・クラウドERP、オンプレミスERPの選択 
    ERPと周辺システム(CRM, SCMなど)の連携戦略 
    ・データプラットフォーム、AI/ML基盤との連携 
  1. 4. ERPパッケージ選定と評価基準
    ・主要ERPパッケージの比較検討 
    ・機能要件、非機能要件、コスト、ベンダーサポート、導入実績
    ・PoC(概念実証)の活用 
  1. 5. データ戦略ERPにおけるデータモデルの検討 
    ERPデータ連携基盤の構想 
    ・マスターデータ管理(MDM)とERPへの統合 
    ・分析用データモデルの検討 

第5章 投資評価とロードマップ策定:ERP導入プロジェクトの計画

  1. 1. 概算コスト見積もりとERP投資計画 
    ERPライセンス費、導入コンサルティング費、開発費、運用費、保守費の積算 
    ・クラウドERP利用コストの試算 
    ・TCO(総所有コスト)の評価 
  1. 2. 費用対効果分析(ROI):ERP導入のビジネスインパクト 
    ・定量的・定性的な効果測定指標 
    ・ROI算出と投資判断 
    ・リスクと不確実性の評価 
  1. 3. ロードマップの策定とフェーズ分け:段階的なERP導入 
    ・短期、中期、長期のステップ 
    ・優先順位付けと依存関係 
    ・アジャイル開発との連携 
  1. 4. プロジェクト推進体制とガバナンス:ERPプロジェクトの成功要因 
    ・体制構築と役割分担 
    ・意思決定プロセスと報告体制 
    ・リスクマネジメント計画 

第6章 基幹システム構想策定における留意点と実践ノウハウ

  1. 1. ステークホルダーマネジメントの極意:ERP導入を成功させる組織変革
    ・経営層、事業部門、IT部門との連携 
    ・コミュニケーション戦略と合意形成 
    ・チェンジマネジメント 
  1. 2. ERPベンダー選定とパートナーシップ 
    ・RFP(提案依頼書)作成のポイント 
    ・ベンダー評価と契約交渉 
    ・共同での構想策定アプローチ 
  1. 3. セキュリティとコンプライアンスの組み込み:ERPシステムの堅牢性
    ・DevSecOpsの考え方 
    ・法規制(個人情報保護法、GDPRなど)への対応 
    ・サイバーレジリエンスの確保 
  1. 4. 構想策定フェーズでのアジャイルの活用:スモールスタートでERP導入を加速 
    ・ミニマムバイアブルプロダクト(MVP) 
    ・継続的なフィードバックと修正 
    ・仮説検証型アプローチ 
  1. 5. 構想策定後の継続的な進化と評価:ERPの価値を最大化する運用 
    ・指標に基づく効果測定 
    ・定期的なレビューと改善 
    ・構想の柔軟な見直し 

おわりに 

・本書のまとめと今後の展望 
基幹システム構想策定のさらなる進化に向けて 

付録 

ERP導入で利用するテンプレート例(ヒアリングシート、RFP構成例など) 
・主要ERPパッケージ比較表 
基幹システムERP関連用語集 
・参考文献リスト